斜度20%超え!激坂の暗峠を旅仕様の自転車で登った話
皆さんは関西屈指の激坂暗峠をご存知だろうか?
暗峠は、大阪府東大阪市と奈良県生駒市を結ぶ国道308号線の峠である。
距離わずか2.4kmで標高差400mを駆け上がり、生駒山をほぼ直線で横断する。平均斜度は16.8%に達し、最大斜度40%を超える。もはや登山と言ってもいい。
これは、そんな超ド級の峠を総重量30kgを超える旅仕様の自転車で登ったときの話だ。
2018年8月14日
今日の目的地は天理市だ。残すは25km。六甲山を登り、ここまで約75kmを消化してきた。都市部特有の多くの信号に何度も捕まり、西宮から東大阪に辿り着くまでは距離以上の時間がかかった。
時刻は17時前、日の傾きは大きくなっている。ファミマで最後の休憩をとり、暗峠の登り口に向かう。近鉄奈良線の高架を潜ると一方通行の看板が見える。
登り口はこの辺のはずだけど、あれじゃないよなぁ…
Googleマップを見てみると、どうやらあれらしい。看板のもとまで行くと
なんだこの道…
そこには住宅の間を抜ける道幅の狭い道激坂が立ちはだかっている。
これを今から3km登るのか…
そう思った矢先、皆一斉に勢いよくダンシングを始めた。
旅仕様でも足をつかずに登ってやる!!
僕はそう意気込んで登っていた。しかし、そんな希望もすぐに打ち砕かれた。登り始めてすぐに、心拍が最大近くまで上がっているのを感じる。路面の丸い溝にタイヤをとられないようバイクをコントロールし、全体重をペダルに乗せるようにダンシングをした。
住宅ゾーンを抜け、法照寺に差し掛かったとき対向車が現れた。道幅が狭く、車1台が通るのがやっとだ。足をついて路肩に避けることになった。
さぁ、リスタート!
そう意気込んで自転車に乗ったが、もうそれ以降自転車に乗れることはほとんどなかった。
脚は完全に終わって、自転車を押すこととなったのだが、いかんせん自転車自体が重過ぎるので押して登るにも苦労する。少し歩いただけで息がきれ、汗が大量に出てくる。そしてアブが汗にやってくる。もう最悪だった。近くに待避所を見つけたのでそこで少し休憩する。
喉の渇きと疲労がピークだった。ファミマで買ったお茶を飲み、補給食を食べた。後ろを振り返ると、大阪の街がよく見えた。日はもう地平線に沈みかけている。僕は先を急いだ。
押しては休みを何度も繰り返し、更に大きくなる勾配で、もう心が折られそうになった。
しばらくすると、見たことのある場所に出た。そこはイン側の斜度が41%で、暗峠1番の勾配のある場所だ。ブレーキ痕がおびただしい。通る車も必死そうであった。
写真を撮っていると、後ろから疲れきった様子の皆が自転車を押してきた。そこでみんなで休憩をとり、集合写真を撮ったり、各々自転車の写真を撮っていた。ヘルメットが転がり落ちるほど、勾配が急で、自転車を動かすにもひと苦労だった。
そこからの斜度はそれほど大きくなかった。とはいっても、10%は軽く超えている。10%の勾配が緩く感じるほどの道のりだったのだ。
しばらくすると景色が開け始め、あともう少しとペダルを踏み直した。頂上に着くとそこは石畳で、荷物を乗せる自転車がパンクしそうで怖い。ゆっくり押しながら進んだ。
もうTシャツからは絞れるほどの汗をかいていた。石碑の前で写真を撮り、集合写真を撮った。みんなで登った達成感がこみ上げてきた。
暗峠制覇したぜ!!
時刻は19時前、登り始めて2時間が経過しようとしていた。奈良県側の街並みには明かりが灯り、空にはもう一番星が見え始めていた。
大阪側ほどではなかったが、奈良側も急勾配だった。慎重に自転車を下らせ、天理市に向かった。
彩華ラーメン本店に到着する。今日の1番の楽しみだ。相変わらずの行列だった。腹が減って待ちきれない。ダクトから流れ出るラーメンの匂いで更に腹が減る。
受付番号が呼ばれ、店に入る。彩華ラーメンをみんなで注文した。出てきた特大のラーメンにみんなのテンションは爆上げだった。
食らうぜ!!!
おしまい。
written byたー